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95話

【デナリーの視点】

「私を刑務所に連れて行きなさい」

エリスの言葉が周囲に広がる混乱の中で私に届き、彼女の方を見ると、警官の一人が彼女の手首に手錠をかけているのが見えた。

「ダメ!」私は立ち上がろうとして倒れながら息を呑んだ。「待って」

「どうしたんだ?」ロスコが私の様子を見逃さず、シューッと声を出した。「怪我してるのか?見せてくれ!」

「大丈夫よ!」私は視線をエリスに固定したまま主張した。「私は…必要なの…」

「自分自身に集中することだ」ロスコが私の言葉を引き継ぎ、私の体を調べ始め、視線が私の足に止まった。「クソッ!ここはどうしたんだ?」

「関係ないわ!」

「いや、関係あるさ...