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89話

【デナリの視点】

ロスコの気配が消え始め、アレクサンダーとエリーゼだけが残された時も、私は無表情を保った。彼がすぐに私を助けに来ることはわかっているのに、もう二度と会えないのではないかという恐怖を抑えることができない。

「もう一度だけチャンスをやろう」アレクサンダーが私のシャツの生地に爪を這わせながら呟いた。「アルファコマンドを使え。さもなければ、俺がお前にそうさせる」

口を固く閉じたまま、私は反抗的に視線を細めた。シャツが開き、私の腹部とブラジャーがアレクサンダーとエリーゼの視界に晒される。すぐさま、アレクサンダーは私の姿を見て興奮の声を漏らし、気持ち悪い目で私を見つめながら、指でブラ...