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82話

【デナリ視点】

痛みが全身に広がるのを無視して飛び上がり、まだ私に機材を向けている二人の男性を見つめる。眉をひそめながらカメラを調べると、赤く点滅するライトが見え、確かに彼らが今起きていることすべてを録画していることがわかった。

「どうすればいい?」一人が他方にささやき、ドアの方へ後ずさりし始める。「ボスはこの女に力があるなんて言わなかったぞ。ただの変身もできないオメガだと言ってたのに」

「それが」私はゆっくりと言い、ベッドから降りて身をかがめる。「あなたの主人の間違いよ」

私は自分の狼とつながりを持たないオメガだったけれど、変身できないというわけではなかった。できるけど、変身したと...