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72話

【デナリの視点】

私はエリーゼの前にひざまずき、彼女が穏やかな笑顔で静かに座っている様子を見つめる。彼女を見ていると、さっきの感覚がまた這い上がってくるのを感じるが、私はそれを無視して、彼女が強盗に遭った際に負った擦り傷を手当てし始める。

手当てを終えると、私は身を引いて彼女の顔をじっくりと見つめる。彼女の顔は私のそれとあまりにも似ていて、私たちが単に通りで偶然出会った二人の他人だとは考えられないほどだ。

「一つ質問してもいい?」私は青い瞳を彼女の目と合わせながら尋ねる。

「もちろん」彼女は輝くように答える。「私の救世主なんだから、何でも聞いていいわよ」

「誕生日はいつ?」

それは...