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51話

【デナリの視点】

「さあ、こっちだよ」ロスコの声が私の耳のすぐそばで響き、心地よいしびれが体中を走るけれど、その感覚に浸る前につまずいてしまう。「気をつけて」

「なぜ目隠しが必要なの?」私はため息をつき、彼の助けを借りながらゆっくりと階段を降りていく。

クリスマスだし、ロスコが私をサプライズしたいのは分かるけど、こんな面倒なことが本当に必要なのかしら?一日のほとんど、私は二階に閉じ込められ、彼が迎えに来るまでベッドにいるよう命じられていた。

「これは全部サプライズだからだよ」彼はため息をつきながら私の頬にキスをする。「ちょっとだけ付き合ってくれないか、プリンセス?」

付き合えるけど、...