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274話

【エリーゼの視点】

私は大きな部屋の中央に立っていた。血と死の匂いが漂う部屋だ。床の中央には死体の山が横たわり、その後ろにある死の玉座に座っているのは、間違いなくこの惨状の責任者だ。死体に誤って触れた瞬間、私は何が起きたのか、そしてこの男がどうやってこれを命じたのかを目の当たりにした。彼は彼らに互いに戦うよう命じ、彼らがこのような状態になった原因を作った張本人だ。それなのに、彼は天使のような笑顔を浮かべていた。

「戻ってきたな」彼は私に言う。その暗い瞳は勝利に輝いていた。「お前が離れていられないことは分かっていたよ」

彼の声は美しいセイレーンの誘いのようで、目の前の光景にもかかわらず、私...