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236話

【セレニティの視点】

私は彼にキスした。彼にキスしたの。なんてこと!彼にキスしちゃった。

廊下を急いで駆け抜け、今日の最初の授業に飛び込んだ私の頭の中で、これらの言葉が何度も繰り返される。

「何てことをしたの?」席に着き、頭を両手に埋めながら私は息を呑む。「何を考えてたの、セレニティ?」

くそっ。衝動的に行動してしまった。エリーズおばさんと話したことが原因?

いや。私がしたことを、あの会話のせいにはできない。心の奥底では、自分がそうしたかったからやったんだと分かっている。そして今、それが起きた以上、マーベリックと私はどうなるの?

心の中で悲鳴を上げていると、くすくす笑う声が聞こえる...