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186話

[デナリの視点]

私はナオミと一緒に座り、彼女の弱々しい姿を見下ろしている。彼女を医務室に連れてきてから、彼女は何も言わなかった。ただ前方を見つめ、何も見えていないようだった。

「変化はあるか?」ロスコが部屋にゆっくりと入ってくる。

振り向くと、彼の姿が目に入る。シャワーを浴び、擦り傷を巻き直しているが、それでもまだとても弱々しく見える。

「そんな目で見るな」彼はいつもの冷静さで息を吐く。「これぐらい何でもないさ」

何でもない。私が目撃したことの後でそれを聞くのはほとんど笑えるほどだった。あの戦士たちの死は決して「何でもない」ことではなかったが、それ以来、他の誰も悪化することはなかっ...