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182話

【エリーゼの視点】

私の周りの世界がぼやけ、風が顔を叩きつける。今まで走ったことのないほどの速さで駆け抜けている。前方では、ホセとチャーリーが私たちの勝利か、それとも破滅への道を先導している。

ついに来た。今日が最後の日だ。今ここで敵を倒さなければ、奴らは逃げ出し、手遅れになる前に再び見つけることはできないだろう。

私の横ではマーティが歩調を合わせ、ウォーレンは後方を担当している。狼の姿では互いに意思疎通できないにもかかわらず、私たちは隊形を保っている。

こんな風にグループで走るのは、いつ以来だろう?何年も前だ。本当に自分が何か大きなものの一部だと感じたのは、まだ傭兵たちと一緒にいた頃...