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177話

【ウィリアムの視点】

私はエリーゼと彼女のグループが待機している大きなバンに向かう様子を見つめ続けた。彼らがバンに乗り込み、動き出した後も、完全に視界から消えるまで見守り続けた。それからようやく、私と同じく黙って見ていたデナリに視線を移す。

「中に戻ろう」と私は彼女の腕に優しく触れながら呟いた。「よくやったよ」

「ええ」彼女は疲れた様子で溜息をつく。「でも、足りないわ」

「足りない?」私は混乱して繰り返した。「どうして足りないと…」

「もう三人の戦士が鵺の病で亡くなったの」彼女が説明すると、私の心は痛ましく締め付けられた。

私がエリーゼと楽しい時間を過ごしている間、デナリはひとりで...