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175話

【エリーゼの視点】

ウィリアムが私を見つめる視線を私も見返している。彼の暗い瞳に浮かぶ欲望から、彼が何を望んでいるかは明らかだった。正直なところ、少しストレスを発散するのも悪くない。

「ここにいろ」彼はセレニティを腕に抱きながら言う。「セレニティを返してくる。戻ってきたら、俺のために準備ができてるといいぞ」

にやりと笑いながら、私は頷いてベッドで寛ぐ。

「わかったわ」私は彼を追い払うような仕草をしながら言う。「行きなさいよ。お姫様をママのところに返してあげて」

一瞬、ウィリアムは私を見つめたまま言葉を発せず、最後に一度だけ切ない視線を向けると、部屋を出て行った。

ため息をつきなが...