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123話

【ロスコの視点】

階段を下りながら、マーティにエリーゼを見ていてもらうのは本当に良い考えだったのかと考えていた。彼が生まれながらの女たらしだということはよく知っていたし、特に美女に対しては。そして私の知る限り、エリーゼもけっして引っ込み思案なタイプではなかった。

階段の下で立ち止まり、振り返って今や二人きりになった部屋の方を見る。

「くそっ」と私はぶつぶつ言う。

まあいい。彼らは大人なんだし、二人の間で何が起ころうと起こるさ。正直なところ、エリーゼに何らかの恋愛関係が生まれるなら、マーティの方がいい選択だろう。それでウィリアムが彼女に近づかなくなるなら、むしろ歓迎すべきことだ。

ため...