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105話

【エリーゼの視点】

「エリーゼ!」

ロスコの轟くような声に、うたた寝から飛び起きる。数時間もごろごろと体勢を変えて快適な位置を探していたのに、やっと得られそうだった睡眠の気配が台無しになった。

ぶつぶつ言いながら、また体を動かし始める。朝食が出される前に少しでも猫のような昼寝ができるよう、完璧な場所を探して。

「エリーゼ!」彼は繰り返す。ついに私の独房に到着したようだ。

「すみません、エリーゼは今留守にしております。ご用件をどうぞ、それからお帰りください」

「今ふざけるんじゃねぇ」ロスコが唸り、私の独房の鉄格子を掴んでギシギシと音を立てさせる。「これから聞くことにはちゃんと答えろよ...