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トレヴァー:

ケスが戻ってくるのを待つ間、散歩に出たら、バットを手にしたリアムを見かけたんだ。「なあ、弟よ、それで何してるんだ?」バットを指差しながら、俺は訊ねた。「像を壊してるんだ」「どうして?」「まあ、そこら中に突っ立たせたままにしておくわけにもいかないだろ。壊しちまえば、溶けるのも早くなるだろうしな。溶けるんなら、の話だけど」「きっと溶けるさ。なんたって氷なんだから」「ああ、そうだな。でも、確かなことは分からないだろ? だって、こんなことが起きたのは初めてなんだろ? だから、本当に分かるわけないじゃないか」「そうだな、確かに分からないな。お前のそういう発想、時々すごくいいと思うぜ」俺はた...