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ケスカ:「彼女は何かお役に立てましたでしょうか?」

「彼女は自分の群れの周りには新しい者はいないと言っていた。だが、群れがどこにあるかは教えてくれなかった。自分で確かめられるようにと頼んでもだ」と彼は言った。

「あの子は賢いわ。どうしてあなたみたいな人に自分の群のことを教えて信用すると思うの? 彼女が周りに新しい者はいないと言ったんなら、それを尊重すべきよ。新しい者はいないってことなんだから」

「彼女やあんたが嘘をついていないと、どうしてわかる?」

「彼女は群れのアルファではない。だが、もし新しい狼がいたら、アルファが発表したはずだ。そして、そんな発表はなかった。彼女の群れに紹介された新しい者...