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74話

トム

私は彼女の首筋に、鎖骨に、そしてさらに下へとキスの跡をつけていった。胸元に到達すると彼女の息が止まり、私の口が彼女の柔らかな肌を弄び、味わった。彼女が身体を反らせるのを感じ、彼女の指が私の髪に絡みついた。

「トム」と彼女は息を詰まらせ、切なげに、せっかちに呼んだ。

サラの息が止まった、私の唇が彼女の乳首の上に浮かんだとき。私は彼女の肌に唇を当てたまま思わず微笑んでしまった、私たちの間に流れる電気のような緊張感を感じながら。それは甘美な駆け引きだった、私が急ぐつもりなど毛頭なかった。

「君は、多分俺が今まで出会った中で最高の目覚まし時計かもしれないな」と私はつぶやいてから、...