教授の誘惑

51話

サラ

私たちは車から降りて、私のマンションに向かった。エレベーターで自分の階まで上る間は静かだったが、不快な沈黙ではなかった。それはむしろ...期待に満ちたものだった。まるで二人とも息を止めて、この後何が起こるのか見守っているかのように。

ドアの前で鍵をもたつかせていると、突然、アパートを出る時にどんな状態で部屋を残してきたか思い出した。「あの、事前に警告しておくけど」ドアを開けながら私は言った。「ちょっと散らかってるの。来客は全く想定してなかったから」

トムは私の後に続いて入り、その小さな空間を目で探った。「...居心地が良さそうだね」と彼は外交的に言った。

「それは『台風が...