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41話

サラ

彼を見上げると、乱れた髪、輝く瞳、そして広い肩にぴったりと張り付いたシャツが目に入った。その瞬間、私は自分が何を望んでいるのかはっきりと分かった。

「絶対に無理よ」

ジェームズの目が輝いた。気づく前に、彼の唇が私の唇に触れていた。エレベーターがチンと鳴り、私たちは飛び離れた。10代の若者のようにくすくす笑いながら、部屋を探して廊下をよろめき歩いた。

「310番...311番...あ、312番だ!」ジェームズは勝ち誇ったようにキーカードを振った。

ドアが開くと、予想以上に豪華なスイートルームが現れた。私の顎が落ちた。

「なんてこと」私は息を呑んだ。「これ、私のアパート全体より素敵...