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39話

サラ

「サラ?」彼はわたしのテーブルに近づきながら尋ねた。

わたしは頷いた。突然、舌が二倍の大きさに膨れ上がったような気分になった。「はい、そうです」かろうじて絞り出すように言った。

ジェームズはわたしの向かいの席に滑り込み、笑顔を広げた。「言わせてもらうけど、写真は君の魅力を伝えきれていないね」

わたしは頬が熱くなるのを感じた。「わたしもあなたについて同じことを考えていたところです」と思わず口走ってしまい、すぐにテーブルの下に隠れたくなった。「あの、えっと、はじめまして」

彼は笑った。温かく豊かな響きで、わたしの内側が躍るような感覚になった。「はじめまして。長く待たせてないといいけ...