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チャプター 357

「サラ」

トムの車の柔らかい革のシートに身を沈めながら、彼がシドニーの街をなんて楽々と運転しているのだろうと、まだ感心していた。

エアコンが強く効いていて、ホテルを出たときに迎えてくれた暑さからの嬉しい救いだった。

「随分と静かだね」赤信号で止まった時、トムは私の方をちらりと見ながら言った。「まだ今朝のことを考えてる?」

その記憶に頬が熱くなるのを感じた。「かもね。でも、ボンダイビーチをやっと見られるってことに興奮してるのかもしれない。あそこのことはたくさん聞いてきたから」

「本当に素晴らしいところだよ」彼は同意して、コンソールを越えて私の手を取った。「それに、君のビキニ姿が楽しみでね」

「...