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チャプター 352

サラ

ホテルの地下駐車場に車を停め、エレベーターに向かった。フロアに到着してドアが開いた瞬間、通りがかりのカップルとぶつかりそうになった。

「トム!いたぞ!」男性の声が廊下に響き渡った。

すぐにレオだと分かった。隣にはケイトがいる。二人とも腹立たしいほど元気で爽やかな様子だった。

「サラ!なんて驚き!」ケイトの顔が輝き、駆け寄って私をハグした。彼女の高価で上品な香水の香りで、ブリッジクライミングの後の自分が汗と日焼け止めの匂いをまとっていることを急に意識してしまった。

「いつ到着するか気になってたんだ。フライトはどうだった?」レオが尋ねた。

「最高だったわ」体重を移動させる時に顔をし...