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チャプター 37

サラ

キスは深まり、私は彼の腕の中で溶けていくような感覚に包まれた。彼の手は私の髪に、背中を伝い、腰をつかんで私を引き寄せ、ぴったりと体を密着させた。どこからが私でどこからが彼なのか、もうわからなくなっていたけれど、それはどうでもよかった。大切なのはこの瞬間、この人、そして彼が私に与えてくれる、同時に落下しているような、そして舞い上がっているような感覚だけ。

ようやく唇を離した時、二人とも息を切らしながら、彼は私の額に自分の額をつけた。「休ませてあげるべきだな」と彼は言ったけれど、その手はまだ私をしっかりと抱きしめたまま、言葉とは裏腹だった。

「そうね」と私は同意したものの、少し...