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315話

サラ

私は彼の枕をぎゅっと抱きしめ、高級な生地に顔を埋めて恥ずかしさを隠した。かすかに残る彼のコロンの香りが、私をさらに馬鹿みたいな気分にさせた。「そこまで考えてなかったのよ、わかる?あなたを殺す計画で頭がいっぱいだったから」最後の部分は枕に向かってもごもごと言ったけど、彼のくすくす笑う声で聞こえていたのはわかった。

「ああそう、法的に入国できないから実行不可能な殺人計画ね」

「得意げにしないで」私は画面を指さした。「泳いで行けるかも?」

彼の笑い声が部屋中に響いた。「オーストラリアまで泳ぐ?」

「サメなんて大したことないわ」

「距離は?」

「5歳の時に水泳教室に通ってた...