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289話

サラ

トムが私の上から転がり落ち、息を整えながら私を彼の胸に引き寄せた。私の耳の下で彼の心臓が激しく鼓動し、私の脈拍と同じリズムを刻んでいた。私は彼の肌の上に無造作な模様を描き、私の触れる度に彼の筋肉が反応するのを楽しんでいた。

「大丈夫?」彼はささやくように言いながら、私のこめかみにキスをした。

「うん」私は彼の匂いを吸い込みながら、もっと身を寄せた。一週間。彼はオーストラリアに丸一週間いなくなる。その考えに胸が締め付けられる感覚があったが、あまり深く考えたくなかった。

確かに、私たちはお互いを恋しく思うなんて冗談を言い合っていたけど、そのからかいの下には…。ああ、私はいつからこん...