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266話

サラ

中には、黒いベルベットに包まれた繊細な金のチェーンとペンダントが収められていました。ペンダントは小さくて精巧にデザインされた鍵で、光を受けて輝いていました。

「まあ」と私は息を呑み、それまでの生意気さが消え去りました。

「絵文字ほど面白くはないけど、こっちの方が気に入るかなと思って」彼の声は柔らかく、優しさに満ちていました。

「すごく綺麗」私は繊細な鍵のペンダントを指でなぞり、光を受けて輝く様子に見とれていました。

「ほら、付けてあげる」トムは箱からネックレスを取り出し、その指が私の指に触れました。

私は振り返り、髪を持ち上げると、彼が首の周りにチェーンをかけてくれました。金属...