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211話

サラ

目が覚めると、体の隅々が心地よく疼いていた。トムの腕が独占欲たっぷりに私の腰に回され、彼の温かい息が首筋をくすぐっていた。昨夜は激しかった。自分の名前さえ思い出せないくらい、何度も何度もイかされたことを思い出して頬が熱くなる。

「おはよう、美人」彼の声は眠りで低く、首筋に顔を寄せてきた。

「んー、おはよう」私は彼に身を委ね、背中に押し付けられた彼の体のすべてを感じながら、ゆったりと伸びをした。彼の手が肋骨の上を滑り、私は震えた。

「よく眠れた?」彼の指が私の肌に怠惰な円を描いていた。

「死んだように。昨夜は誰かに疲れ果てさせられたから」私は彼の腕の中で向き直って彼の顔を...