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208話

トムがレオの笑い声を締め出すようにドアを閉めると、振り返った先のソファにはサラが大の字になって寝そべっていた。彼女の腹の上にはワイングラスが危うげに置かれている。自分の部屋でくつろぎ切った彼女の姿を見て、胸の内で何かがきゅっと締め付けられた。

「うまくいったわね、そう思わない?」彼女は頭を傾げて逆さまの状態で私を見上げ、髪が肘掛けから滝のように流れ落ちていた。

私は部屋を横切り、こぼれる前に彼女の腹からワイングラスを慎重に取り上げた。「楽しんでたみたいだね。特に俺をからかって」

「まあまあ、フォークのマナーのジョークは面白かったって認めなきゃ」彼女は私の手を掴み、自分の隣に引き寄せた。...