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16話

サラ

その間、トム—いや、ブラックウッド教授は黒板に何かを書いていた。私はその言葉に集中できなかった。彼のシャツの下で動く肩だけが見えて、数日前にその肩が私の手の下でどんな感触だったかを思い出していた。

私は席で身をよじり、他の何かに集中しようとしたが、私の心はあの夜へと戻っていった。彼の手が私の体の上を巡り、熟練した正確さで全ての曲線と谷間を辿った様子を思い出した。彼の唇が私の肌の上に焼き付けた灼熱の跡、何時間も燃え続けた炎を思い出した。記憶が鮮明で容赦なく押し寄せてくると、首筋まで赤らんでいくのを感じた。

彼の視線が教室を巡り、一瞬私の目と合った。一瞬、時間が止まったかのよう...