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146話

サラ

トムはシャワーに向かって一歩踏み出した。水滴が光を捉えて彼の肌の上を滑り落ちていく。「レディーファースト?」

「なんて紳士なの」私は甘く言って、温かい水流の下に入った。シャワーが私の体を伝い落ち、ビーチから付いた砂と塩の名残りを洗い流していく。トムが私の背後に詰め寄り、私たちを包む湯気にもかかわらず、彼から放射される熱を感じるほど近くにいた。

私は彼の方を向いた。彫刻のような胸に水滴がまとわりつく光景に息を呑む。

「気に入ったものでも見つけた?」トムはからかうように言った。

「まあまあね」

「まあまあ?傷ついたよ」彼は劇的に胸を押さえ、シャワーの壁に向かってよろめい...