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117話

サラ

私たちはブロックを一つも歩かないうちに、ネオンの「営業中」サインが弱々しく点滅しているアイスクリーム店を見つけた。店員が中で机を拭いていて、明らかに閉店準備をしているところだった。

「あっ、アイスクリーム!」私は興奮して叫び、トムを店の方へ引っ張った。

「サラ、もう閉まるところだよ。それに、今アイスクリーム食べたら胸が凍り付くぞ」

私は肩越しに彼にいたずらっぽい視線を送った。「まず第一に、今の私の胸はあなたの心配事じゃないわ。第二に、私は大人の女性よ。アイスクリームが食べたければ、食べるわ」

「君の胸は常に俺の関心事だ」トムはぶつぶつ言ったが、それでも私に店まで引きずら...