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44話

目がパチパチと開き、鈍い頭痛が頭を締め付けていた。体は疲労で重く、まるで動きを制限されているような感覚があった。瞬きをして、周囲の空間に目を走らせた。

部屋は予想よりも広かった。放置された雰囲気を漂わせる納屋のようだった。

空気は湿っぽく、湿った木材と腐りかけた干し草の香りを運んでいた。蜘蛛の巣が隅々にまとわりつき、埃の粒子がひび割れた窓から漏れる薄暗い光の中をゆっくりと漂っていた。

床は過去の名残りで散らかっていた。木箱や錆びた道具が無造作に床に散らばっていた。壊れた家具の破片が、長い間忘れ去られ放棄されたまま、空間全体に散らばっており、かつての鮮やかな色は時間とともに色あせていた。

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