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162話

ティモシー視点

ティモシーは、デュークがおもちゃを追いかけ回す様子を眺めながら、レザーソファの端に腰掛け、アパートでの稀な平穏のひとときを楽しんでいた。夕日が開いた窓から温かな光を投げかけ、外から聞こえる都会の心地よいざわめきが、彼の思考の心地よい背景となっていた。

デュークがぬいぐるみのおもちゃを彼のもとに持ち帰ってきたとき、ティモシーはいつものように犬に話しかけずにはいられなかった。「イーヴィーはあのドレスの一件のあと、大丈夫だといいんだけどな」

デュークは首を傾げ、好奇心に満ちた目で見つめていたが、いつものように黙ったまま、ティモシーが何の判断もなく思いを打ち明けるのを聞いていた。...