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94話

神殿の内部は深い赤色と影の隅々が重なり、松明の光が花崗岩の壁に踊り、まるで壁自体が命を宿しているかのように脈動している。この古代の聖域の中心へと進むにつれ、空気は重くなり、鉄と古い石の香りが染み込んでいる。ピュラは、その鮮やかな青色の衣が血のように赤い背景に鮮明な対比を見せながら、あまりにも威厳があるのに見た目は虚弱な姿の前にひざまずいている。その対比が私の背筋に震えを走らせる。

ブラッド・スクライブは神殿の生きた岩から直接彫られた玉座に座り、黒玉と赤い花崗岩を通る紅玉の脈が、動脈を流れる生命の血のようだ。彼女は古代の存在で、その肌は細かい線と深いしわの織物のように、何世紀もの物語を語ってい...