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57話

私は注意深く本を開き、ページをめくると軋む音が響く。最初の数ページには密集した文字が並び、それは言語というよりも芸術作品のような文字で書かれていた。私は言葉を理解しようと目を細めるが、まるで暗号を解読しようとしているかのようだった。森と雪山に囲まれた城の鮮やかな挿絵を見た時、私の心臓は一拍飛んだ。それはまさに今この瞬間、私が立っているこの城そのものに見えたからだ。

私は答えを求めて次々とページをめくる。風化した羊皮紙に指を滑らせながらページをめくると、それぞれのページが過ぎ去った時代の秘密を囁いているようだった。部屋は神秘と期待感に満ち、青く揺らめくろうそくの光が壁に不気味な影を落としている...