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150話

ヴェネツィアの魅惑的な運河を見下ろすバルコニーに座り、ロマンスと夢の街を眺めている。ゴンドラが優雅に下を滑り、その黒い船体が絹を切る刃のように煌めく水面を切り裂いていく。空気はゴンドリエーレの歌声と近くのカフェからの遠い会話の音で満ちており、咲き誇る花々と焼きたてのペストリーの甘い香りと混ざり合っている。

結婚とブラッドムーンの儀式から6ヶ月が経ち、この数ヶ月は私の人生で最も美しく充実したものだった。アレクサンドルと私は異なる領域を旅し、それぞれの不思議を体験してきた。天界はその幻想的な美しさと輝く空で息を呑むほどだった。薄明の領域は永遠の夜明けと夕暮れで、世界を紫と金色の色合いで彩っていた...