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130話

私たちは何時間も歩き続けているように感じる。ルカと狼の斥候隊に導かれ、「どこでもない領域」の荒涼とした広がりを進んでいく。景色は灰色の無の連続、生命も色彩も欠いた不毛の荒野だ。聞こえるのは灰色の地面を踏む私たちの足音と、時折遠くから聞こえる狼たちの遠吠えだけ。空は特徴のない鈍い灰色の広がり、永遠の薄明かりがすべてに不気味な光を投げかけている。

私はアレクサンドルの隣を歩いている。彼の存在はこの荒廃の中で私を支える力となっている。緊張感は手に取るように分かり、私たち全員に重くのしかかっている。沈黙は圧迫的で、一歩進むごとに未知の深みへと踏み込んでいくように感じる。

突然、ルカが手を上げ、止ま...