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108話

心臓が喉元まで飛び上がり、目が迷路の中心にある窪みの入り口へと釘付けになる。薄れゆく光の中、背の高い暗い人影が、捻れたドッグローズの白い花を背景にシルエットとなって現れ、その輪郭は黄金色の輝きに浮かび上がっている。脈拍が早まり、胸の中で息が詰まる。

「アレクサンドル」と私は囁く。本当に彼だなんて信じられない。長い時間を経て、ついに再会できたのだ。

人影が一歩前に進み、その顔が見えるようになる。表情は引き締まり、読み取れない。暗い髪が額にかかり、明るい青い瞳が夕暮れの中で輝いている。

「アリアンナ」と彼は低く掠れた声で言い、感情に震えている。その瞬間、私たちはお互いに向かって走り出し、彼は...