傷跡

96話

第5章：アルファの儀式 パート1

シドニー

「この世の最後の狼だとしても、あなたとつがいにはならないわ、ブライアン」今週これで5回目のつがい申し込みだ。しかもあらゆる狼の中でもブライアンからとは、気持ち悪い。

「シドニー、俺たちは本当に素晴らしいコンビになれるよ。考えてみてくれ、チャンスをくれ」彼は私の手を掴み、手の甲にキスをした。私の自然な反応は彼の鼻をパンチすることだった。だから私はそうした。「この雌犬が」鼻が砕ける音がして、彼の目に涙が浮かんだ。そう、また折ってやったのだ。

「二度と私に触れないで。次は鼻だけじゃすまないわよ」私は振り向いてパックハウスの中に入る。今夜のアルファ儀式...