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19話

第18章:マーク教育

アメリ

部屋に戻ってベッドに座る。しばらくただ箱を見つめていた。勇気を出して箱を開ける。本の背表紙に付いたリボンの栞に鍵が取り付けられているのを見つけた。鍵を回して箱を開ける。そこには、私が行わなければならない恐ろしい儀式の道具があった。小さな木製の器があり、それは既に何年もの間、私と同じ思いを抱いた数え切れない人々の血で赤く染まっていた。これが唯一の逃げ道だった。二本の小さな短剣がある。一つは鋼鉄製で、もう一つは銀製だ。

「本に何が書いてあるか見る必要があるわ」イナリはナイフを見ようともしない。私は父が私にくれたこの本について興味がある。古い革表紙で装丁された本だ。...