ブラッド・ヴァージン、ブラッド・フレーム

84話

ロシェ

ジャスティスが私の血統をいい加減に口にするのを聞いて、怒りが内側から湧き上がってくる。秘密を持て遊び、それを守る敬意を一切持たないなんて、悪魔らしい。アレクが怒りに目を渦巻かせて立ち去った直後、私は席を外した。

ジャスティスは私が獣人王族の最後の一人、ドラゴンガードの最後の生き残りだと知っているのに、それでも不注意な言葉を投げかける。アレクと私は、最後の神性の鎖が砕かれた夜の唯一の生存者だ。ジャスティスは詳細を知らないものの、多くの災害が同時期に起きた大事件があったことを知っているし、それが今起きていることと関連していると気づいているようだ。ジャスティスの不用意な言葉が、アレクに人...