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第9章

電話の向こうで一瞬の沈黙があった。「気に入らない。今後こういうことはもうやめてくれ」

林田景は少し驚いた。岩崎奈緒のデザイン案でさえ気に入らないとは、このいとこの好みはあまりにも厳しすぎるのではないか。

「本当に気に入らないの?だったら僕が貰っちゃうよ!」彼は最近別荘を数軒購入したばかりで、ちょうどインテリアデザインを待っているところだった。

自分のために取っておくという言葉を聞いて、藤原光司の眉はより一層しかめられた。業界ではデザイナーを共有することもあるが、いとことシェアするなんて...

本当に腹立たしい。

「明日から、藤原グループに出社しろ。その軽薄な性格を直せ!」

言い終...