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第46章

萩原彩花はその一言で息が詰まりそうになった。

唇を何度も震わせたが、結局まともな言葉を絞り出せず、藤原光司に助けを求めるような目を向けた。

男は余裕のある姿勢で、親指でカードの表面を無造作に撫でていた。ちょうど彼の発言順が回ってきたところで、相変わらず手元のチップをいくつか無造作に投げ入れた。

4億の賭け。

それは一気に観衆の視線を引き戻し、間接的に萩原彩花を救うことになった。

萩原彩花はほっと息をついたが、まだ胸がドキドキしていた。誰も自分に注目していないことを確認すると、やっと岩崎奈緒に恨めしそうな視線を向けた。

岩崎奈緒は薄い眉を少し曲げただけで、見なかったふりをし、指先を...