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第40章

弁護士は何かの真相に気付いたかもしれないと感じていた。

藤原グループに戻り、藤原光司の前で、彼は直接契約書を差し出した。

「藤原さん、岩崎さんはすでに契約書にサインしました」

藤原光司はサインのある書類を見つめ、その名前に目を留めた。岩崎奈緒?

彼はページをめくりながら、眉間にしわを寄せた。「何も要求しなかったのか?」

弁護士は首を振り、岩崎さんが要求どころか、異常なほどあっさりと同意したことを言いかけた。

藤原光司の眉間に冷ややかな嘲笑が走った。岩崎家の二次融資の解決を約束し、離婚を先延ばしにすると約束したのに、彼女はあっさりとサインしたというわけだ。昼頃の面会の約束も、おそら...