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第37章

岩崎奈緒は道村礼子が意図的に嫌味を言っていることを理解していた。

彼女は返事をするつもりもなく、自分のデスクに戻って腰を下ろした。

道村礼子は納得がいかなかった。もし河野浩二が藤原光司との接点を自分に与えてくれていたら、この案件は自分のものになっていたはずだ。

結局、藤原光司は河野浩二との高校時代の友情があってこそ承諾したのであり、岩崎奈緒本人とはほとんど関係がなかったのだから。

だから彼女はただラッキーだっただけなのに、それで名声を大きく上げることができた。

なぜいいことは全部岩崎奈緒に回ってくるの?

道村礼子の胸の内には爆弾が詰まっているようで、少し触れただけで爆発しそうだっ...