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第27章

この署名のないメッセージだが、友達追加もされていないものの、彼女はすぐに藤原光司からのものだと分かった。

藤原邸で会おうと?

これは正式に離婚の話をするということだろうか。

彼女はあまり深く考えなかった。離婚するにしてもしないにしても、自分にとってはそれほど影響はない。

名だたる作家の作品を数多く読み漁り、頭の中には基本的なデザイン図が浮かんでいた。明日、その物件の現場を見に行くつもりだった。

翌朝早く、岩崎奈緒は車で藤原光司の会社へ向かった。

現場を見に行くなら、当然オーナーである藤原光司に一声かけるべきだし、いくつか相談したいこともあった。

藤原氏を訪れるのはこれで二度目。...