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第18章

岩崎奈緒が前髪を耳にかけ、明るく澄んだ眼差しで、はっきりとした発音で、語尾に少し笑みを含ませながら、自ら手を差し出した。

「藤原社長、改めてご紹介します。私はペニーと申します。インテリアデザイナーをしていて、そちらにお持ちのものが私のデザイン作品です」

藤原光司は足を止め、体が固まった。幻聴かと思った。

岩崎奈緒は彼が握手に応じないのを見て、自然に手を引っ込めた。

「これまで何度かお話ししたかったのですが、藤原社長はあまり興味をお持ちでないようでした。私のデザイン作品をまだお持ちだったので、もしかしてお考えが変わったのかなと思いまして」

彼女は流暢に自然に話した。「もしそうであれば...