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第11章

岩崎奈緒が顔を上げると、ちょうど彼の眉間を過ぎる冷たい色を捉えた。

一行の人々が彼女の横を視線を逸らすことなく通り過ぎていく。先頭の人物は話しながら歩く注意力が完全に藤原光司に向けられており、彼に対して非常に丁寧で、取り入ろうとしながらも無礼を働くことを恐れている様子だった。後ろに続く人々は皆スーツ姿だった。

それは彼女がこれまで接触したことのない、入ったこともない見知らぬ世界だった。

岩崎奈緒はその場にしばらく立ち尽くした。

そしてゴルフバッグを肩にかけ、外へ歩き出した。

三浦安は高級ブランドのスポーツウェアを身にまとい、ごく普通の容姿で、白いボールが美しい弧を描いて軽々とホール...