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第18章 翔様の卑しい自前のスリッパ

水原雪乃と平野美咲は電話を切った後、まだ5時だった。

彼女はまだ眠気がなかったので、松本効に電話をかけ、承認が必要な書類をメールで送ってもらうよう頼んだ。

5時半になると、横に置いてあった携帯が鳴った。

彼女はちらりと見てから電話に出た。

「そんなに早く出るなんて、目が覚めたの?」

電話の向こうから低くて磁性のある温かい男性の声が聞こえてきた。

水原雪乃はふがいなくも、瞬時に胸がときめくような不思議な感覚に襲われた。

彼女は赤い唇を軽く噛み、淡々と「うん」と返事をした。

男性はさらに尋ねた。「今夜は何が食べたい?」

「え?」

水原雪乃は思わず反応した。

彼女は試すように...