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第16章

「それはよかった、お疲れ様です」

湯川優は感謝の気持ちを込めて医者に頷き、それから尋ねた。「もしおばあちゃんが目を覚ましたら、私たちお話しに行ってもいいですか?おばあちゃんの休息の邪魔にはなりませんか?」

「大丈夫ですよ。お婆様は骨を整復する際に大変な痛みを経験されたので、弱っているように見えますが、すでに1時間経過していますから痛みは和らいでいるはずです。ご家族が付き添ってお話することで、お婆様の気分が明るくなれば、回復にもとても良い影響がありますよ」

「景行、おばあちゃんのところに行って付き添いたいんだけど」湯川優は城田景行を見上げて言った。

城田景行の瞳に一瞬温かな色が浮かんだ...