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第58章

「任せたぞ！」

冷たい数言を残し、榎田神也は踵を返して立ち去った。

その凛々しい背中には、怒りの炎が宿っていた。

一体何に腹を立てているのだろう？

鈴木芽衣は彼が去っていく方向をじっと見つめ、頬を真っ赤に染めて怒りに震えていた。

なぜこんな仕打ちを？

彼女はわざと足を捻挫したふりをして、二人の間に体の接触を増やそうとしたのに。

結局、彼は行ってしまった。

すべては無憂のせいだ。彼女がここに現れなければ、こんなことにはならなかったのに。

ハックション！

部屋に戻った篠崎アエミは、ベッドに横になろうとしたところで、突然くしゃみが出た。

林田涼子が寝ぼけ眼で時間を確認し、「朝...